前書き
記事の前に皆さんに伝えたいことがあり、前書きとして書きます。読んでいただけたら幸いです。
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この記事を書くきっかけは電通新人女性社員過労自殺事件で亡くなられた高橋まつりさんの母、幸美さんの手記を読んだことです。その手記には娘さんのSOSに気づけなかったことへの後悔が綴られていました。
以下、幸美さんの手記全文です。
まつりの幸せが全て奪われたクリスマスの日から3年が過ぎました。
あの日までの24年間まつりの幸せが私の幸せでした。
まつりと一緒に見る空の青、山の青、海の青、花の色、すべてが輝いていました。
生まれる前から慈しみ育てた、自分の命より大切な娘に先立たれた悲しみと苦しみは言葉では言い表せません。
まつりのいない今でもまつりのことばかり思い、まつりの名を呼んでいます。
ちいさい頃から平凡な私を超え、自分の人生を自分で選び懸命に生きてきたまつり。
電通での長時間労働とパワハラがなければ、今も元気で働き、好きな場所へ行き、美味(おい)しいものを食べ、大声で笑っていたはずです。
いつものように「お母さん大好き」と言って抱きしめてくれたはずです。「どんなことがあっても大切な娘を守る」それができなかった私の苦しみは消えることはありません。
電通は、まつりの生まれた年に社員の大嶋一郎さんが亡くなり「不幸な出来事が二度と起こらないよう努力します」と誓いました。しかしまつりの命が犠牲になりました。
電通は再び労働環境の改革を誓いました。
何十年も放置されていた大企業での取り組みは大規模なシステムの導入や業務の改善と適切な人員の配置、社員教育、かかる費用は膨大なものになるでしょう。
不眠不休で命を犠牲にするビジネスモデルが異常で間違っていたと言う意識の改革が必要なのです。会社も社員も非常識な文化や成功体験を捨て改革の意識を共有して本気で取り組み、電通単体でだけでなく電通グループ全体で改善を行い、犠牲者を二度と出さないよう本気で取り組んでほしいと思います。
昨年電通は労働基準法違反で罰金50万円の有罪判決を受けましたが、上司に関しては不起訴処分になりました。私は検察審査会に申し立てをしましたが、今年7月に不起訴相当が決定しました。他の管理職も同様な労務管理をしていてひとりだけ処分すると不公平になるからと言う理由がありました。サービス残業も深夜労働も労基法違反もみんながやっているから処分されないと言うのは納得できません。
過労死を防止するためには労働基準法違反の罰則を強化する法律の改定が必要だと思います。
働き方改革関連法が今年6月に成立し来年4月から施行されます。過労死、過労自殺を防止するには改革とは程遠いものだと思います。すべての業種職種で長時間労働やハラスメントをなくすような法改正や取り組みがなされることを望みます。
人手不足や経済発展や国民的イベントが人の命を大切にしない理由として許されてはいけません。人の命は人件費と言うコストではありません。経営者や労働者、国民全ての人が意識を変えなければいけません。
日本の社会全体で働く人の命と健康が守られることを望みます。
まつりの死から働き方が変わった職場があると聞いています。
世界がどんなに変わろうとまつりの苦しみは消える事はなく、まつりは人生をやり直す事はできませんが、まつりと同じ苦しみを持って生きる人をなくすため、過労死・過労自殺をなくすため、過労死等防止対策推進協議会委員としても微力ながら声を上げ続けていく決意です。
この国の労働環境改善はまだまだ不十分です。
この記事が少しでも力になれたら幸いです。
はじめに
就活にあたって最重要とも言えるのがブラック企業を見極めることです。
近年、ブラック企業に勤め続けたが故に、過労死や自殺に追い込まれた例が後を絶ちません。
2015年の電通新人女性社員過労自殺事件は大きな注目を集め、電通は2016年にはブラック企業大賞「大賞」を受賞。この事件は世間にも大きな波紋を呼ぶこととなりました。
また、ブラック企業マップも話題となりました。
このような例を見ていたら、多くの人は当然
「ブラック企業を見極めたい!就職したくない!」
と思いますよね。
今日はブラック企業、ホワイト企業を見極める方法、ブラック企業の特徴をまとめてみました。
もくじ
ブラック企業を見極める方法
ホワイト企業の見極め方
ブラック企業を見極める方法
1、とにかく調べる
最終的にはこれに尽きると思います。
ブラック企業は自分たちのことを『ブラック企業』だと分かっています。
上手に悪い部分を隠して求人を掲載します。
これを見抜くのはとても難しいことです。この記事だけをみて判断することはあまりオススメしません。いろんなサイト、記事、求人誌、評判、できる限り多くの情報を集めましょう。
その一部としてこの記事はお役に立てると思います。
2、残業代を払わない企業
これは問答無用、ブラック企業です。
企業にとって一番大きな支出は人件費です。
ブラック企業はそれを削減したくてしたくてたまらないのです。
しかし、求人に「残業代は払いません。」なんて書いてはくれません。
下記のような時間外手当の制限がある場合は間違いなくブラック企業と考えて問題ありません。
- 基本給に時間外手当含む
- 時間外手当上限3万円
さらに、最近後をたたないのが固定残業代やみなし残業の悪用です。
固定残業代とは、企業が一定時間の残業を想定し、あらかじめ月給に残業代を固定で記載し、残業時間を計算せずとも固定分の残業代を支払うという制度で、一般的には「みなし残業」とも言われています。
近年厳しくなっている労働問題の対策として、この「固定残業代」や「みなし残業」を悪用し、固定残業以上の残業をしても残業代を払わない企業が後を立ちません。
3、労働時間の記載
長時間労働の多くはブラック企業ですが、求人から長時間労働を読み取れることは少ないでしょう。
基本的に求人情報の労働時間はあてにしないほうが良いでしょう。
年に数回あるかどうかの定時の時間が載っているだけであったり事務員など別の部署の勤務時間を載せている場合もあります。ネットで元従業員の声を聞いてみるか、実際に現場に言って従業員の様子を見るのが確実です。
最終手段としては面接で直接聞いてみることでしょう。向こうがホワイト企業であるのならば悪い印象を持たれることなんてありません。
企業が社員に命令できる残業時間は決まっています。
月に45時間。年間で360時間です。
これを基準に判断しましょう。
4、従業員数の割に求人が多い企業
従業員数に比べて求人が多い=社員が多くやめる
ということです。
社員がやめる理由が必ずその企業にはあります。
5、独身者が多い企業は要注意??
ブラック企業で問題になるのは人間関係、または上司の性格のことが多いです。
ブラック企業は人を使い潰します。そしてそれは高い離職率となってあらわれます。
高い離職率により年齢層に偏りが生まれます。
男女の比率が極端に悪かったり、独身者が多い会社は要注意かもしれません。
6、飲食店やブライダル・旅行関係の業界はブラックが多い?
華やかな業界は自然と人が集まりますよね。企業もそれを理解し、逆手に取ってきます。
そのため飲食店やブライダル・旅行関係の業界はブラックが多い傾向にあるのです。
しかし、華やかな世界には華やかな世界なりの良さがあります。人の幸せの手助けができ、やりがいもあります。好きな人だけが続けられる世界なのです。
そう考えると、華やかな業界にブラック企業が多いのは仕方のないことなのかもしれません。
ホワイト企業の見極め方
1、ホワイト企業アワード
ホワイト企業アワードとは、、、
ホワイト企業アワードは全国の「素晴らしい会社」を称賛・表彰するイベントです。
企業規模は一切選考判断に入りません。中堅中小企業も多数選出されています。
このアワードでは名前の通りホワイト企業を賞賛、表彰しています。
アワードの受賞企業は最高数万人規模の企業から7名の企業までが選出されています。
就職活動の参考に良いのではないでしょうか。
2、くるみんマーク、プラチナくるみんマーク
くるみんマーク、プラチナくるみんマークとは、、、「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた証です。
次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定した企業のうち、計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業は、申請を行うことによって「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けることができます。この認定を受けた企業の証が、「くるみんマーク」です。
育児支援が気になる方はぜひ参考にしてみてください。
まとめ
この記事が皆さんのお役に少しでもたち、この国の労働環境改善に少しでも繋がったら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。