イギリスのテリーザ・メイ首相は24日、6月7日に与党・保守党の党首を辞任すると表明した。6月7日に保守党党首を辞任し、その後の党首選考で後任が決まるまで、首相の職に留まる意向という。次期首相は保守党の党内手続きを経て、7月末までに決まる見通し。

メイ首相の辞任はEU離脱案の混迷が原因だと思われる。

テリーザ・メイ首相はともかくも、いっぱいいっぱいだった。自ら率いる与党・保守党の分裂に、自分にはそれを修復できる政治手腕がないことに、まったく対応できなかった。

メイ首相は政界で必死になって人脈づくりに力を入れるタイプの政治家ではないことでよく知られていた。

それはメイ首相が信頼し、頼れる人も少なかったことを意味していたのだ。

気になるブレグジットの行方は??

イギリスと欧州連合(EU)は、ブレグジット(イギリスのEU離脱)を10月31日まで延期することで合意している。

EUが臨時首脳会談で決定し、テリーザ・メイ英首相と合意した内容は以下の通り。

  • EU離脱は「最長10月31日まで」、かつ離脱協定の批准に「必要な期間だけ」延期される
  • イギリスは5月23日の「欧州議会選挙に参加しなくてはならない」。参加しなかった場合、イギリスは6月1日にEUを離脱する
  • 欧州理事会は、離脱協定の再交渉はしない

つまり、イギリスは向こう5ヶ月で今後の方針を決めなくてはならない。

スコットランド独立運動との関係

スコットランドは2014年の国民投票でEU残留を国民の意思と決定したため、イギリスがEUを離脱する動きに伴って独立運動を激化させている。

メイ首相が辞任した今、新首相の判断によって世界が大きな影響を受けることは間違いないだろう。

誰がメイ首相の後任になるにしろ、新首相もブレグジットについて同じ数々の選択肢に直面することになるのです。

 

辞任発表で、メイ首相は妥協の重要性を訴えた。しかし、そう言う当の首相こそ、もっと以前に妥協を受け入れるべきだった、譲歩姿勢を示したのがあまりに遅かったと、すでに批判が飛び交っている。